ガブリエラ ハースト 2025年秋メンズウェア コレクションでは、革新的で高級感のある素材を使用し、柔らかくも洗練されたシルエットに仕上げています。

デザインの精神は、考古学者マリヤ・ギンブタスの1991年の著書『女神の文明』に触発されています。ギンブタスは古代ヨーロッパの新石器時代文化を研究し、陶器や小像などの考古学的発見から、これらの社会は女性主導であり、男性は抑圧的な役割ではなく、支えとなる役割を果たしていたと推論しました。

今シーズンのカラーパレットは、ガブリエラの水彩画から着想を得ており、バーントシェンナ、ラスト、アンテロープオレンジ、バーガンディ、チョコレート、ゴールデンバーチといった深みのある温かみのある色合いが揃っています。クラシックなブラックとホワイトのアイテムに加え、フェードインディゴやコバルトデニムに見られるブルーのアクセントが、今シーズンのコレクションを彩ります。

それぞれのルックは、しなやかなニットと織物の質感を、互いに補い合う色彩で組み合わせた、多様なスタイルを提案しています。ヴィンテージのトップコートに使われていたアップサイクルミンクを裁断し、つなぎ合わせて新たなアイテムに仕上げることで、シャープでフィット感のあるテーラリングや、スリムなリサイクルコットンデニムに柔らかさをプラスしています。カシミアとシアリングをケーブルニットで編み上げる新技術は、スエードのトラウザーズやアクセサリーとの組み合わせを演出しています。メリノウールは極細のセーターに、カシミアは肌触りの良いブークレ生地に紡がれています。カーフ素材のアウターウェアは、リサイクルカシミアの中綿、ナッパレザーのライニング、シアリングやスエードのトリムによって、より一層肌触りの良さが引き立っています。

柔らかくも洗練されたカシミアとウールのテーラリングとシャツ地は、ナッパレザーとスエードのアクセントで仕上げられ、手作業で丁寧に仕上げられた縫い目が特徴です。スーツ地は、コレクションカラーのピンストライプ・カシミアフランネルと、ピンストライプにマッチする斑点模様の糸で編まれたニット素材を使用。カシミアの裏地が付いたショート丈のフィット感の高いトラッカージャケットには、アップサイクルされたカシミアコーデュロイからレザー、スエード、染めやウォッシュ加工を施したデニムまで、様々な素材を使ったリラックスフィットのジーンズを合わせています。

新しいEcoWash True Denimシリーズは、100%リサイクルコットンデニムを特徴としています。天然インディゴとホワイトの2色展開で、シーズンカラーのガーメントダイ加工が施されています。染色工程では、エコロジカルウォッシュを用いて手作業で処理するため、通常のデニム工業生産に比べて大幅に電力消費量を削減できます。水は循環型で、素材製造の様々な工程でろ過・再利用されます。

アクセサリーは、レディ・トゥ・ウェアと同じ柔らかな色合い、シルエット、質感で展開されます。カシミアスエードを使用した、ユニセックスでアンストラクチャーな新作ホーボーショルダーバッグ、リサイクルソールを使用したオハイオスニーカー、しなやかなナバックとスエードを使用したニーナチェルシーブーツ、そして植物染めのバケッタレザーを使用したアドラーベルトなどが登場します。ガブリエラ・ハーストはまた、ナポリの老舗ネクタイメーカー、E.マリネッラとのコラボレーションも発表し、秋コレクションの華やかな色合いを引き立てています。シルクファイユとシルクウールの生地は、E.マリネッラのアーカイブからアップサイクルされたものです。