ズーム通話で、ガブリエラ・ハーストは、マンハッタンへの珍しい旅行で父親と撮ったスナップ写真をシェアした。ハーストの父親はウルグアイの牧場主で、お気に入りのポンチョを着て現れた。「ニューヨークのガウチョ」と彼女は誇らしげに語った。この写真は、彼女の最新のメンズコレクションの出発点となった。2年前にコレクションをレパートリーに加えて以来、彼女は贅沢で持続可能な生地をセールスポイントにしてきた。男性もリサイクルカシミアを好むのだ。
ルアナは変化、つまり大胆なジェスチャーの受け入れを象徴している。この写真は10年以上前のものだが、今日、ルアナを肩にかけながら道を歩いている男性は、当時のハーストの父親と同じくらい印象的だろう。パファージャケットやスウェットが流行している現代を考えると、おそらくそれ以上に印象的だろう。彼女が今後、そのシルエット、そして大胆さへの本能をどのように発展させていくのか、興味深いところだ。
ハーストは、他の部分でも相変わらず生地選びに気を配っていた。シングルブレストのスーツに使用したデッドストックの白黒マイクロチェックウールには、小さなドットが手刺繍され、センスが増した。また別のウールスーツは、織りの過程で自然に斑点がついたもので、斑点模様のセーターと合わせた。彼女の色彩感覚も鋭い。ネイビーのタートルネックとバーガンディのトラウザーズの上には、チェリーレッドのランバージャックシャツを合わせた。このシャツは、反ルアナで、従来型ですらあるが、リサイクルカシミアで作られたことで、他のラインナップと同じくらい高級感が増した。